無意識(潜在意識)は顕在意識より影響度が大きい ―仕事・お金・人間関係・恋愛すべてに影響する!
「無意識(潜在意識)は顕在意識より何倍も影響力がある」、と皆さんも一度は聞かれたことがあると思います。実際、無意識領域は人生の様々なことに影響を与えています。仕事・お金・人間関係・恋愛すべてです。
ですからこの事実を活用し、潜在意識を変える、書き換えることで、仕事・お金・人間関係・恋愛の現実が変わります。
心理学者のフロイトさんが提唱された「無意識」は我々のいわゆる「意識(顕在意識)」よりも、我々の行動、反応ひいては生活そのもの、人生に対する影響が大きいのです。 我々は、自分の意思と意識(顕在意識)によって、 あらゆる物事を捉え、考え、判断していると信じていますが、 実際は、深層心理による強力なコントロールを 無意識に受けているのです。
つまり、「引き寄せている」といったことのほとんどは、無意識(潜在意識)による思考習慣、言語習慣、行動習慣の結果起きていることを、無意識であったがために、本人も気づくことなく、「引き寄せた」と解釈しているわけです。
目次
無意識(潜在意識)とは
順を追って、説明しますね。 一番わかりやすいのは、 自律神経のコントロールでしょうか?
「今日は気温が高くて、体温も結構上がっているから、汗をかいて体温下げておこう」 と顕在意識でコントロールしている人は、皆無でしょう(笑)。
もしくは、 「階段を駆け上がって足の筋肉を通常より酷使したので、酸素供給量をあげるために心臓の収縮頻度を上げて、体の末端までの血液供給を増やそう、そして酸素を多く取り込むために呼吸の回数増やそう」などと命令しなくても、【無意識】が判断して指令を出してくれているのです。
もっと言うと、「あー、今日も生きなきゃいけないから、呼吸しよう!」なんて生まれて一度も判断したことはないのではないでしょうか?
しかも数十年も! さらに、あらゆる記憶でさえ、すべてが無意識の領域に貯蔵されています。
「昨日の晩御飯、何を食べました?」と聞かれれば、 意識的に思い出そうとして、思い出せたら、答えられます。 その前は?、その前の前は?と続けて聞かれれば、どこかの時点で思い出せないことに行きつくはずですが、聞かれるまでは、そのことを覚えているのか、いないのかさえ、意識の領域にはありません。
つまり、自分が何を知っていて、何を知らないのかさえ、顕在意識では認識できていないのです。 だから試験というシステムがあるんですね。この人が何を知っていて、何を知らないのか、ご本人でさえもはっきりとは分かっていないので、「聞いてみて答えさせる」という作業が成り立つんです。
つまり、顕在意識は意識的に学習したり、何かを創造したり、意図的に何かに取り組む、という判断はできますが、ほとんどの行動や反応は無意識に行われている、ということです。 その他にも、行動習慣、言語習慣、自己の価値観、観念などすべての重要な情報までもが、無意識(潜在意識)にしまわれています。
しかも、その内容を自分で認識は出来ていないのです。
ですから、「顕在意識は1~10%で、無意識(潜在意識)が90~99%である」、という点はあながち間違っていないのです。 これだけ、人生に影響を与えるのに、私たちはどれぐらい自分の潜在意識について知っていて、自分の人生のために取り組んでいるでしょうか?
それこそ、「無意識」にまかせっきりではないですか?
潜在意識にしまわれている、言語習慣、行動習慣、価値観、観念、過去の記憶などは、仕事、お金、人間関係、恋愛などすべてに影響を与えています。
しかも無意識に!
とはいえ、意識的に潜在意識にインプットすることは可能です。(顕在意識で潜在意識に取り組む) 今回は、より詳しく顕在意識と無意識(潜在意識)についてみていこうと思います。
顕在意識
顕在意識(意識)って? 顕在意識とは、普段認識している意識のことです。
「表面意識」とも呼ばれ、論理的な思考・理性・知性・判断力を指します。
簡単に言えば、「言葉にできる意識」のことです。
例えば、
• 「私は今、歩いている」
• 「私は今、今夜の晩御飯のことを考えている」
という自覚をすれば、それが顕在意識になります。 つまり、顕在意識で認識するには、「言語化」が重要であることが分かります。 「明日は髪を切りに行こう」と自分の意思で行動を決めることは、顕在意識で決意したことになります。 人間の脳でいうと、大脳皮質連合野の前頭連合野の機能でもあります。 この部分は行動計画の立案、実行、行動抑制、視覚的に与えられた目標への眼球運動の制御を行っているとされています。
ちなみに生まれたばかりの赤ちゃんには、まだ顕在意識はありません。お腹が空いたり、不快感に襲われると泣き叫ぶのは、本能や感情がむき出しの状態だからです。
赤ちゃんはほぼ100%、次に説明する潜在意識の状態だと言えます。 このことは、神経科学的には前頭葉の脳神経の髄鞘化が関係している、という報告があります。赤ちゃんは前頭連合野の脳神経の髄鞘化が進んでおらず、顕在意識が機能を働かす前に、本能的な反応が行動に出てしまっているんですね。
また、後に述べますように、赤ちゃんにおいては異なった反応をするためのデータも蓄積していませんので、比較的単純な反応を示しがちです。
潜在意識(無意識)って?
潜在意識とは、普段認識することができない意識のことです。「無意識」とも呼ばれ、感情・感覚・直感・記憶・本能的な欲求を指します。
潜在意識は「記憶の宝庫」とも言われ、過去に起こった印象的なことを記憶しています。
顕在意識では思い出せないことでも、潜在意識には記憶が蓄積されています。見たこと・聞いたこと・感じたこと・考えたことの全てです。
ただし、長期記憶にしまわれるか否かは、脳の海馬の作業によって振り分けられます。(海馬の機能とは)
例えば、「明日は洋服を買いに行こう」という顕在意識での決意は、
• 「今度の季節に合った、オシャレがしたいなぁ・・・」
• 「もうちょっとカッコイイ服が欲しいなぁ・・・」
• 「可愛くみられる服が必要だな・・・」
と感じていた潜在意識から導き出された決意でもありえるということです。
洋服を買いに行って、見た目で黄色い服ではなく黒い服を選んだとしたら、潜在意識で「自分に黄色は似合わない・・・」と感じているからですね。 真実はどうかは別なんです。
無意識に過去の記憶と照合する作業が行われて、反応しているのです。
ですから、顕在意識で決断、決定したことでさえも、無意識領域からの記憶や思い込みに影響されている、という事なんですね。 「何かイヤな予感がする・・・」というモヤモヤした気持ちになる場合は、似たような状況、似たような人や出来事に関する、潜在意識にある苦い記憶が体の反応となって現れているからなんです。 無意識領域の層 この無意識領域はいくつかの層にわかれています。
先の顕在意識で述べました、大脳新皮質にしまわれた記憶、 そして古い脳と言われている、爬虫類脳・哺乳類脳による本能的なプログラム、 さらに、ユングによる集合的無意識の領域、 です。
まずは、先にもお話しました、爬虫類脳・哺乳類脳に存在する本能的なプログラムについて、お話しますね。 例えば、呼吸や瞬きは無意識でしていますよね。お腹が空くことや汗をかくこと、眠っている時の寝返りや瞬間的な体の反応は無意識で現れます。
また、ある出来事に対して湧き上がる怒りや不安などの感情も、無意識で現れるはずです。 心臓の脈拍数や、汗をかいて体温を調整したり、といった機能はこの本能的な部分での反応が現れているのです。
名古屋大学の研究で、人やサルは本能的にヘビに対する発見能力が高い事が証明されています。これは、何千万年もの遺伝を通じて、遺伝子レベルでの機能が伝わっていることを意味しています。まだヘビを観たことのない幼児やサルでも同じことが確認されているからなんです。
これらは、遺伝子レベルでの『記憶』が伝承されているのですね。 逆にそのような遺伝子がない個体はヘビに食べられて消滅しているのかもしれません。 このような領域は遺伝子レベルなので、現在ではDNAスイッチというものの存在でその切り替えの可能性が言われていますが、まだ具体的にどうやったらいいのかははっきりとは証明されていません。 遺伝子にはいろんな情報があり、このDNAスイッチがONになったり、OFFになったりすることで、どの情報が現実的に発現するのかが変わる、ということです。
例えば、お父さんが金髪で、お母さんが黒髪のお子さんが、それまで黒髪だったのに、17歳から金髪に変わってきた、というのは保持しているDNAのどちらのスイッチがONになったかで、実際の容姿にも変化があると考えられます。
一方、生後に経験した記憶による無意識の反応は、学習によって獲得したもの、ということになります。これらは脳のニューロンシナプスに保存されている、という考えが主流だったのですが、現在は神経細胞核(UCLA大学)か感覚機能と神経細胞、脳細胞によって複雑に結ばれた「ネットワーク」そのものの中にあるという(ウィスコンシン大学)説も言われています。
いずれにせよ、この生後に獲得していった様々な『記憶』があなたを形作り、あなたの生活や人生に影響を与えていることに変わりはありません。
では、その無意識(潜在意識)にしまわれているどういった『記憶』があなたの人生に影響しているのでしょうか?
まずは、端的にそのことを表現したマザー・テレサの言葉をご紹介しますね。
“思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。“
まさに、思考習慣、言語習慣、行動習慣が性格や人生における運命にさえ影響する、と言ったことをまとめてくれています。
マザー・テレサさんがどれほど心理学や脳科学に精通していらしたかはわかりませんが、経験則としてもこのことに気づいておられたのですね。すごいことだと思います。
「思考に気をつけなさい」の部分は、どういった思考習慣があるか、ということになります。
例えば、「ついてないな」と考える癖があるとしたら、 まさにそれが言語習慣になります。 「私はついてないな」と言ってしまう、そう解釈しがちになる、という具合ですね。
すると、私はついていない、というセルフイメージを無意識に保持することになりますので、そういった人としての行動をとるようになります。 そうすると、「ついていない人」というセルフイメージをもった人としての行動習慣が身についていきます。
なにかをやろうとしても、「あ、私はついてないから、、、やめとうこう」と行動の判断にさえ影響するわけです。 するとそいう言った性格の人物としての性格になり仮に行動したとしても、「やっぱりついていない」という運命を引き寄せる、ということです。
現実的には「引き寄せる」のではなく、そういった考え方、そういった意識の向いていることが、眼についたり、気づきやすくなる偏向性を生み出しているのです。
この偏向的な認識が繰り返されると、ますますその「考え方」は強化され、信念となり、確信へと変わっていくのです。無意識にです。
そういった意味では、マザーテレサさんの言葉に、一つ付け加えるとすれば、
「思考に気をつけなさい、言葉に気をつけなさい、それはいつか「信念・確信」になるから」 ということでしょうか。
「引き寄せ」に関しては、認知科学的な見解として一致する部分と、まだまだ科学では証明できていない部分とがあります。(引き寄せの法則)
科学的に一致している部分として、脳の網様体賦活系(RAS)という部分が知られており、人の脳は意識の向いたものしか目に入らない、その仕分けをしているということが分かっています。(RASについて) ですから、潜在意識にあることがこういった現実に何を目にするかにも影響がある、ということです。 では、潜在意識にあって、我々が普段気付かずに、日々の暮らしや人生に影響を与える重要なモノにはなにがあるでしょうか?
1. 価値観
2. 捉え方
3. セフルイメージ
4. 思考習慣
5. 言語習慣
6. 行動習慣
7. 信念・観念
などがあげられます。順番に見ていきましょうね。
価値観
これは、遺伝的要素を完全に否定できませんが、おそらくはほとんどが、外部からインプットされた情報を、無意識に総合して自らの価値観として完成さえている可能性が大です。
例えば、幼いころから両親がテレビのニュースを見て「あーお金持ちは、悪いことして稼いでいて、逮捕された」と言っていたとします。 そして、お金持ちは悪い事している、そして逮捕されたりする。 という記憶が作られたとしますと、お金持ちは悪い人、という価値観につながるかもしれません。
逆に、幼いころ、家が貧しく両親ともに苦労している。とても幸せそうに感じられない、という体験をしていて、近所のお金持ちは豊かで幸せそうに見えていたとしたなら、「お金」があれば幸せで豊かに暮らせる、という価値観が醸成されるかも知れません。
ポイントは、体験、経験から無意識に、つまり知らず知らずのうちにあなたの価値観が出来上がっている、ということです。 もちろん、いろんな本を読んだり、様々な人との出会いで、その価値観が変わったり、新たな価値観に変わることもあり得るでしょう。 これらの影響は、自ら意識して選択していかないと、自動的にあなたの価値観の形成に影響を与えている、ということです。
私も、30歳を前にして、アメリカの大学院に留学する経験をしました。 経営大学院(MBA)でしたので、同級生も社会人経験のある、20代半ばから後半のひとが一番多い層でした。
その時、驚いたのはアメリカ人のクラスメートたちが、授業に野球帽をかぶったまま出席したり、ガムをかむのはもちろん、コカ・コーラの缶を持ち込んで飲んだりしているわけです。さらに教授に対しても、ファーストネームで呼び捨てです。 日本でしたら、小学校でさえも怒られたり、罰を受けたりするような行為が全然平気に受け入れられているのです。しかも、いい大人ですよ(笑)。
つまり、日本で生まれ育った私は、授業に出席するのに、野球帽かぶったままなんていけない、食べたり飲んだりしちゃいけない、教授には下の名前で呼び捨てなんてありえない、という価値観が出来上がっていた、ということです。 価値観は、その人の「いい」「わるい」、「好き」「嫌い」など判断基準として用いられます。 海外生活は極端な例ですが、人それぞれ、持っている価値観は異なっていることがある、という事実と、自分自身がどんな価値観を持っているかは、客観的に見てみたり、違う価値観に触れてみないと、わかっていない、ということです。
まぁ、好き、嫌いの場合は「生理的に嫌い」とかありますように、根拠がない場合もあり得ますが、何らかの影響を受けてこの価値基準としての価値観が出来上がってる場合が多いと考えられます。 また、その価値観は意外と真実ではなく、何か過去の経験や事象をどう「捉えた」かで創り上げられていることがあります。
「捉え方」については次の項でご説明しますね。
捉え方
起きた出来事や、ある事象に対して、どのように「捉える」か、ある意味どう解釈するかといってもいいでしょう。 これは、先の価値観の形成にも影響しますし、逆にある価値観から、決まった「捉え方」をすることもあり得ます。
たとえば、先の例で、両親が「お金持ちは悪い人で、捕まる」というのは必ずしも事実ではありませんよね?
確かに、悪い方法でお金持ちになった人もいますが、すべてのお金持ちが悪い人で犯罪を犯しているとは限りません。 つまり、そういう「捉え方」をしている。ということになります。
その両親の発言を、これまたどのような「捉え方」をするかで、自身の価値観も変わりえるわけです。 両親の言うことは正しい、という前提としての「捉え方」をすれば、 「そうだ、お金持ちは悪いことしてるに違いない」という風になりえますし、 いやいや、それは両親の「捉え方」であって、必ずしも正しい考え方とは言えない、と「捉え」られれば、そのような価値観を持つには至らないでしょう。
まぁ、幼少期でそのような思考と捉え方ができる人がどれほどいるか?ですけれども。
ですから幼少期の育ての親の影響というのは大きいわけですね。無意識に影響を受け続けていくわけですから。
で、実はほとんどの事は「捉え方」次第である、ということができます。 先の、家が貧しく、苦労しているのはお金がないせいだ、という「捉え方」をして、自分は、お金を稼いで、幸せで豊かに暮らすぞ!という決断をし、努力して、頑張って、お金持ちになる人もいるかもしれません。
それはそれで素晴らしい結果かもしれませんが、必ずしもお金の量と幸せが比例するとも限りません。
臨床心理学者のアルバート・エリスは、ABC理論として、この捉え方で、同じ事象が起こっても、その後の感情や行動に違いが出る。ということを言っています。 捉え方、ですから良いも、悪いも、正しいも、正しくないも本来はありません。 ですから、自分にとって役に立つ、現実的にも精神的にも心地のよい「捉え方」を意識することで、その後の感情や行動にも影響を与えうる、ということです。
たとえば、ご近所さんに挨拶したのに、無視されたとします。これは起こった現実ですね。 その時に、「きっと私は嫌われているんだ、、、」という「捉え方」をしたとします。 これはまだ、事実なのかそうではないのか分からない状況ですよね?
で、じゃあなんで嫌われているんだろう、なにかしたかな? 昨日の夜子供が騒いでいたのが迷惑をかけかのかな? などと気になり始めて、そのご近所さんとのその後のお付き合いが疎遠になっていくかもしれません。次に見かけても、コソコソと挨拶せずに、隠れて通り過ぎようとするかもしません。
これは、「捉え方」によって、嫌な感情が起こり、行動も影響を受けた例ですね。
一方、まったく違う捉え方で、「ひょっとしたら、何か考えごとして、気づかなかったのかな?」「自分の声が小さかったのかな?」と思ったとしたなら、次回はもっとはっきり、大きめの声で挨拶してみよう、という行動に変わるかもしれません。
事実は、確認してみないとわかりませんが、「捉え方」で自分に起る感情と、その後の行動さえも変わる、ということはお分かりいただけますよね。
別に、ポジティブは捉え方をしましょう、と提唱しているわけではありません。間違い、正しいはないわけですから、自分にとって役に立つ、自分にとって現実的にも精神的にも心地の良い捉え方を選べばよいだけの話です。
例えば、「どうやら私はご近所さんに嫌われているのかも、、、」という捉え方でいけば、自分に自信を少しは失う可能性がありますし、コソコソと行動する習慣につながるかもしれませんよね。攻撃的な人だったら、そのご近所さんに怒りを感じたり、攻撃的になったり、キレて「こっちが挨拶してるのに、何なんだよ!」なんて大声をあげたりすれば、それこそ、ご近所さんとの人間関係に悪影響があるかもしれません。
そうではなく、次の機会にも試しに大きなハッキリ聴こえる声で、眼があった時に挨拶してみて、普通に返事してもらえれば、解決。
逆に、その時にも無視されるようなら、何かあるのかな、という風に捉えられれば、展開は変わってきますよね。 もし仮に、本当に誰かに嫌われている、としても、「捉え方」で起こった事象に対する反応や、その後の対応は変わります。
例えば、「人に嫌われてはいけない」という価値観を強くお持ちならば、「嫌われちゃった、どうしよう。」「どう接していけばいい?」と思い悩むかもしれません。
一方、100人いたら、100人共に好かれるなんて、あり得ないから、という「捉え方」ができるのであれば、あー、あの人に嫌われてるんだ、それはそれでしょうがないね。だから、あまり関わらないようにすることが相手を不快にしないことになるかも、という風に思えるかもしれません。
結構、ほとんどの事は「捉え方」ですので、自分の決まった考え方と違う視点でみなおいすことで、自分に沸き起こる感情やその対処法、行動が変わっていける可能性を秘めているのです。
セルフイメージ
セルフイメージは、自分自身をどう捉えているか、自分自身をどう定義しているか、ということになります。
ですから、正しい面もあるかもしれませんが、必ずしも正しいとは言えない「捉え方」をしている場合もあるわけですね。
これも、意識してみないと、無意識に形成されている可能性がるわけです。
自分自身をどう定義しているか? なんですが、これはどうしても見聞きしたことで、他人との比較なども入ってくるわけです。 よく「他人と比べるな!」 といいますが、ある部分正しくて、ある部分それは無理な話でもあるわけです。
たとえば、私が「イチロー選手のようになりたい!」と願って、自分はそうなれる、きっとなれる、と信じて努力したとしても、必ずしもそうはなれないかもしれません。 努力を同じようにしたのか、才能は同じレベルなのか、結局いろいろ比べて、挫折したり、それを踏まえて、自分の新たなセルフイメージを構築していく、ということもあり得るからです。
それでも、野球が大好きであれば、それに関連した仕事につこうとするかもしれません。 球団の事務職や、野球選手をサポートする通訳やトレーナーなど。少年野球を指導するかもしれません。 ですから、いたずらにセルフイメージが低い、セルフイメージを高くもとう、とうのも乱暴なこともあり得るわけです。
ではどうしたらよいのか?
最初は自分が自分をどう捉えているのかを、リストアップして顕在化してみることから始めます。 長所や短所と思っていることを、出来る限り書き出すのです。 そして、それぞれの要素を本当にそうなのか? それは「捉え方」なのかを検証してみることですね。
そうするとご自身の特徴、性質が浮き彫りになってきます。
実は、短所も長所もないのですが、そのことが明確になってきます。 無駄に自分を低くみていないか、「捉え方」によって自分で過度な思い込みになっていないか、を点検して、自分に役立つ、現実的、精神的に心地のよい「捉え方」に変えてみた上で、再定義してみるのです。 そしてそれを今の自分自身として、受け入れ、認めることが重要です。
自己受容というのですが、この土台がないまま、無理やりセルフイメージだけ高めたところで、砂上の楼閣になる可能性があります。 基礎の定義がはっきり認識できるから、「ではどう対応するのか」という対応策案が生まれてくるのです。
一方、セルフイメージがその後のふるまい、行動に影響するという面白い報告もあります。 例えば、会社組織において役職がヒトを創る、と言いますがこれは事実です。
その方の実力や才能の限界はあるとしても、実際には立場や役割を与えられれば、人間は適応してしまうものなのです。 どんな人でも、大学生から社会人になり、会社の担当者として営業したり、上司に使えたりする「役割」を与えられることで、それまでの態度や行動と変わったふるまいをすることが知られています。
面白い例に、アメリカでのドッキリカメラ的な番組で、宅配の運送者にある宗教的な集まりの場に配達するよう仕組みます。そして実際にはその配達委員以外は番組の設定したサクラなのですが、その配達員にそっくりな教祖の写真を奉った会場へと、配達員は向かいます。荷物を受け取った信者とその仲間たちは、「あなたは教祖の生まれ変わりだ!」と騒ぎ立てるのです。 最初は、否定して早く帰ろうとする配達員なのですが、周りが信じ切ってどうしても招き入れようと許してくれません。
とうとう仕方なく、信者(?)たちの集まった部屋に連れ込まれ、祭壇に奉られ、「一言説法を」と求められます。
すると、一般的ではあるのですが、配達員は、善い行いや、心の保ち方など、それらしい発言をして、拍手喝さいを受ける、というドッキリです。
面白いのは、何人か同じドッキリを受けるのですが、どの人もそれらしい、ありがたい言葉を大勢の前で述べるのです。これもまさに、与えられた役割をこなそうとする、それなりにこなしてしまう、という実験結果といえるでしょう。
恋人同士だった二人が、結婚し、夫婦となり、子ができて、父親、母親という新しい役割が与えられ、職場でも昇進などして新たな立場が与えられると、振る舞いや意識が変わる、ということは起こりえるのです。
そいう言った意味では、なりたい自分を意識することで、その役割、セルフイメージを設定する、ということはその後の自身のふるまいや言動に影響するはあり得ますし、セルフイメージを変えることで、自分の行動・結果も変わりえますので人生が変わります。
ちょっと、ビジネス面での例えをだしますと、「自分は腕利きの料理人だ」というセルフイメージが強いと、自分じゃないと美味しい料理をだせない、自分で包丁、フライパンを使ってこそ、最高の料理でお客さんをもてなせる、と定義しているとすると、レストランを何店舗も経営することは難しい現実となるかもしません。
そこで、「自分は腕利きの料理人であり、この技能を才能ある弟子に伝える能力がある」という風に認識を変えたとすると、自分が伝えた技能ある弟子が、支店をだせるようになるかもしれません。
さらには、「私は、優れた腕利きの料理人であり、その技術を多くの人に伝えられる。さらに、レストラン経営のノウハウを知っており、チェーン展開のできる経営者でもある」と定義して行動すれば、もはやお店で自ら包丁とフライパンを握ることなく、もっと多くのお客さんたちに美味しい料理を提供できるレストランチェーンを展開するようになるかもしれません。
言いたいことは、セフルイメージが自分を定義し、さらにその定義によっては可能性の限界も設定していることになりますよ、ということです。
誰もが自由に成功するとは限りませんが、セルフイメージで無意識に自分の可能性を制限しているとしたら、それはもったいないことですね。
私のクライアントさんで、ある著名なミュージシャンのバックコーラスを何年か担当していらっしゃっていて、ある時、私は「シンガーソングライターとして活動する」という決断をされました。 半年ほどのセッションを通して、この「シンガーソングライター」という設定が、無意識にある可能性を制限していたんです。
要するに、自分で曲を作って、詩を書いて、歌う、という設定になっていたのですが、なかなかいい新曲ができない、という状況に直面していました。 そこで、状況をコーチングで探っていくと、「作曲は得意で、即興でもすぐ作れちゃうんだけど、作詞がなかなかつまって進まない」ということが分かりました。そこで、「同じミュージシャン仲間で、作詞が得意な人を見つけて、コンセプトとイメージをつたえて書いてもらうとかはどうですか?」なんて話になり、翌月セッションでお会いしたら、もう曲が完成していて、ダウンロードで販売しているではないですか!(笑)
これは、何となく、「シンガーソングライター」と宣言していたことで、作詞を人に頼むなんて、無意識に選択肢になかった、そのために行動や新曲の完成に制限がかかってしまっていた、という事なんです。
人間って、本当に面白いものです。自分で自分を定義することで、その制限を無意識に受けていたり、苦労したり、実現化が滞ることが起きる、ということですね。
思考習慣
これは考え方の癖、どういう思考をしがちか、どういうパターンの思考を習慣にしているか、ということですね。
脳は、楽をしようとしますので、あるパターンがいい、と思ったら、効率化しようとして、似たような事象が起きた時に、無意識にそのパターンを自動的に当てはめて処理しようとします。
“食べず嫌い”、なんかもこれかも知れませんね。何となく、おいしくないだろうな、自分は好きじゃないだろうな、と何が根拠はそれぞれ違うでしょうが、そいう言う思い込みがあって、結果としてだから食べない、という結論をつけて行動しない。
それがパターン化しているので同じ反応を毎回するのですが、真実はどうかは分かりません。本当に嫌いかもしれませんし、実は大丈夫、もしくは意外とおいしいじゃないか、という可能性もあり得ます。
また、自分にはどうせダメだから、、、とか、私が悪いんじゃない、誰かが、もしくは状況、環境が悪いせいだ、という思考の習慣を持っている人もいるかもしれません。 逆に、自分が悪いんだ、自分のせいだ、、、と自分責めの思考習慣を持っている人もいるかもしれません。
これは無意識にその判定をしてしまう、しかもどちらかに偏った判定をするクセがある、そしてその思考方法が習慣化してしまっている場合に、そのような思考習慣を持っている、ということができるでしょう。
それで上手くいっているのであればよいのですが、自分じゃない、他人や環境・状況のせい、にする思考習慣も、いつも自分のせい、自分責めする思考習慣も、必ずや上手くいかないことの原因になることが多いようです。
なぜかというと、いずれの思考習慣も偏った思い込み、捉え方が原因になっているため、すべてのことがその一つのパターンで対応できたり、解決できたりするわけではないからなんですね。
自分はいつも悪くない、いつも誰かが、外の環境条件が悪いせいだ、という偏りがある方は、人を責めたり、状況を責めたりすることで、人間関係を台無しにしたり、自分の成長や変化の機会を失っている可能性があります。 私がこうなったのは、お母さんのせいなんだから! この仕事が上手くいかないのは、上司のせいだ! と、本当にそういう事もあるかもしれませんが、常にそれが原因だと言い続けているのであれば、それが根拠なき思考習慣になっているかもしれません。
逆に、なんでもかんでも、自分責め、自分のせいにする思考習慣をお持ちであれば、自分が成長・変容する機会になっているかもしれませんが、自分を責め続け、自分で何とかしなければいけない、というついよい思い込みで、疲れ果てて、へばって、ボロボロになっても、それは自分が弱いせいだ、と責め続けるようなことになるかもしれません。
こういった、偏った考え方になってしまう要素として、人間の様々なバイアスがあります。 例えば、ゼロ・100バイアス。All or nothingとも言いますが、なにかがないと全く意味がない、白か黒しかない、といった極端な考え方ですね。 わかりやすく言うと、「一番じゃないと意味がない。」それ以外は存在価値がない、といったような極端な考え方ですね。
実際、一番だとみんなに知られて、二番以下はそんなに有名になれない、といったことはあります。「富士山の次に高い日本の山は?」と言われて答えられる人は富士山の名前を知っている人の半分以下でしょう。
しかし、実際にはあることで一番になろうとしたならば、その過程で5番だったり、2番だったり、という時期もあるかもしれません。逆に言うと、1番が存在するには、その他の順位の人がいるから成り立っているのも事実です。 ですから、ご本人が1番を目指すことと、1番以外は意味がないかどうかは関係がないんですね。
そこに意味を見出すことだってできるわけです。 なにか、偏りのある思考習慣があるのであれば、それが上手くいかない場合や違う考え方を取り入れた方が、精神的にも、現実的な行動と結果にも好影響がある、という事でしょうか。
言語習慣
言語習慣は、簡単に“口癖”ですね。最初にあげました、「お金持ちは悪いことしている」という思い込みがあり、「お金は汚いもの」なんていう価値観をもっていれば、それが口癖になるかもしれません。
もしくは、そのような口癖をもっていればちょっとした「思い込み」が繰り返されることで強化されて、「価値観」や「信念」になるのかもしれません。 言語習慣には、どういった言葉を使うのか、使いやすいのか、ということから始まるわけですが、実際には我々は、誰かほかの人に言葉を伝える外的対話と、自分自身の心の中で語りかける内的対話があります。言葉の習慣においては、外と内で異なる言葉を使うことはそう多くはないかも知れませんが、他人には使えないようなひどい言葉を、内的対話では使っている習慣をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
そのもとになるのは、思考でジャッジしているからなんでしょうけれども、同じようか感情・感覚でも、使う言葉のくせによっては、人に与える印象も異なりますでしょうし、自分自身の気持ちや状態にも影響するでしょう。
なにか失敗した時に、「あー、なんてダメなんだ」という言葉を使いやすい場合と、「あー、今回は上手くいかなかったけど、次回がんばろう」と、ある意味思考習慣と密接ではありますが、言葉の癖のおかげで思考習慣も影響を受けることもあるかもしれません。
「大丈夫、大丈夫」が口癖の人と、「あー、ダメだ、ダメだ」が口癖の人では、それぞれいろんな違いが出るでしょう。
行動習慣
行動の習慣が目にも見えやすいので、皆さん一番、わかりやすいのではないでしょうか? 朝起きたら、顔を洗い、歯を磨く、などほぼほぼ無意識にとっている行動ですよね?
後、家の鍵をかけて出てきたか心配になって身に戻ったら、ちゃんとかけていた、というのも「家を出る時は、鍵をかける」という習慣のたまものです。
顕在意識では、自分が鍵をかけたかさえ認識できていないのに、無意識の方ではしっかり鍵をかけているわけですね。これもある意味、脳のセキュリティーのエラーなのかもしれませんね。 同じ人物の同じ脳なのに、ある部分ではしっかり「作業して」いるのに、別の脳の部分では、その「作業」をしたかどうか、「確認しよう」と指示を出して、「あ、ちゃんとやってたな」と顕在意識で確認させているわけです。
面白いですよね?
つまり、「大事なことは確認しておいた方がいい」という無意識の回路がどこかに存在していて、「家を出る時にはちゃんと鍵をかける」という無意識の回路とは連動していないので、無意識同士それぞれがやることちゃんとやろう、と起動している結果なんでしょうね。
ですから一日のうち、様々な行動があると思いますが、そのほとんどは無意識による行動習慣かも知れません。
朝起きてから、会社に行くから服を着なきゃ、とは考えませんよね。洋服タンスに行ってから、意識で「何を着ようか、、、」と思考することはあっても、洋服タンスの方には無意識で向かっているのではありませんか?
靴を履くのも同じで、「ちゃんと靴を履かなきゃ」、とは考えずに下駄箱へ向かっていませんか?(笑)
「靴をちゃんと履きなさい」、なんて最後に言われたのは何歳でしょうかね?
それ以来、もう無意識に靴は履く癖が習慣になっているわけです。幼児の頃は違ったはずです。そうやってちょっとした行動がどんどん習慣化されていて、その積み上げで一日のほとんどが成り立っているわけです。 人前に出て、緊張すると頭を書く癖があるね、とか他人からの指摘も出やすいのが、この行動習慣ですね。
信念・観念
これは、その人が何を信じているか、その信じていること、ですね。
心理学ではビリーフといったりします。
まぁ、格言的なものはすべてその人の信念や観念を言い現したものですね。
例えば、スティーブ・ジョブズの言葉に、 “他人の意見で 自分の本当の心の声を消してはならない。 自分の直感を信じる勇気を持ちなさい。“ というのがあります。
これが仮に、信念になったとしたならば、その人は他人の意見で迷いそうなときに、この言葉を思い出し、思考を変えて、自分の本当の心を聴こうとするでしょう。
そしてその自分自身の直感に従って行動することでしょう。 それが、結果的に正しいか否かはわかりませんが、信念によって、思考・言語・行動・結果が影響される、ということはお判りいただけると思います。
そしてこのように、座右の銘のごとく紙に書いたり、眼に届くよう意識していれば、顕在化できるのですが、幼少期からの両親の影響や体験に基づいて構築された「信念・観念」は、本人でもどのようなものがインストールされているのか知りませんし、どの「信念・観念」が自分の人生に制限や弊害になっているのか、わからないものがほとんどかもしれません。
実際、信念・観念自体は宗教みたいなもので、何を信じているかに正しいも、間違いも、良いも、悪いもないのです。
しかし、先に出ました、思考習慣や言語習慣にもとづいて、ある「考え」が強化されて、信念になったとしたら、、、例えば、「私は何をやっても上手くいかない」が思考習慣、言語習慣を経て強化され、信念になってしまったとしたら、、、 なにか新しいことを見たり聞いたり、ちょっと体験したりして、興味を持っても、「でも、、、私はどうせ、何をやっても上手くいかないから、、、、」という信念が反応して、その思考習慣が再生され、言語としてつぶやき、その興味を持ったことを深めてみたり、それを楽しんでいる自分をストップしてしまうかもしれません。
このように、自分の人生や可能性に制限を加えてしまったり、自ら望まない方へと思考・反応・行動してしまうようなビリーフをリミティング・ビリーフと呼びます。
もうお分かりですよね?
人生を好転したい、望むように実現したい、と考えるのであれば、行動のみを顕在意識で変えるだけではなく、無意識に存在する、価値観、捉え方、セフルイメージ、思考習慣、言語習慣、行動習慣、信念・観念を見直して、それらの書き換えにも取り組んだ方が、影響度は大きく、本当に自動操縦で望んだとおりの人物となり、そのように考え、そのように行動し、そのような人生を送ることになるのです。 では、どのように無意識(潜在意識)にあるこれらの記憶を書き換えるのか?
まとめ
- 無意識(潜在意識)は「仕事・お金・人間関係・恋愛」など人生のあらゆる領域に影響を与えている。
-
特に、「 価値観」「 捉え方」「 セフルイメージ」「 思考習慣」「言語習慣」「行動習慣」「 信念・観念」などのあらゆる重要要素が無意識領域に存在している。
- これらの情報(記憶)を望む状況に沿うようインストールしたり、アップデートしなければ、顕在意識下で行動だけ変えても人生はなかなか思うように実現しません。
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松下 マサ
アランコーエン認定ライフコーチ
米100億円企業の役員、シンガポール社長を歴任し、
世界中を飛び回るビジネスマンとして活躍後、ライフコーチとして独立。
癒しと気づきのライフコーチとして、
潜在意識を活用し、
ビジネス・起業、人間関係・恋愛、お金の状況を望み通りに実現する
サポートを行っている。
・ミッションは
”幸せに活き活きと暮らす人を増やす”
・モットーは、
「答えは自分の中にある」
「リラックスすると豊かさはやってくる」
最愛の妻と二人の息子と東京に暮らしている。
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“無意識(潜在意識)は顕在意識より影響度が大きい ―仕事・お金・人間関係・恋愛すべてに影響する!” に対して1件のコメントがあります。